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行田市・吹上町の田口不動産ブログ
物件情報や行田市・吹上町の地域情報をご紹介いたします。週2回くらいの更新をします。

この世界の片隅 3回目 映像の魔術師 

水曜日にこの世界の片隅に3回目行ってきました。
キネマ旬報のベスト1に選ばれましたがほかの候補作は見ていないので何とも言えませんが突出した作品なので妥当な評価かなと思います。
むしろこれをきっかけに観に行ってくれる人が増えると監督の片淵氏の次の作品制作がスムーズになればいいなという感想です。
しかしながらキネ旬ベストでも翌日朝は3割くらいしか入っていませんでした。
行った人でもなんか淡々としてつまらないよねという意見もありますがそれも致し方ないところ。
私も感性がおじさんなので君の名はとか見ても同じ意見になる可能性があります。
去年のERAのほかの会社との何人かで忘年会をしましたがある人に「君の名は」をやたら勧められましたが彼は感性が若いのでしょうし2度行ったと言っていましたから気に入っていたのでしょう。
ミュージックビデオでダフトパンクのディスカバリーとか思春期の男の子が考えたようなストーリーでもキラキラした色彩と音楽の勢いですごく素敵な映像に見えたりしますから雰囲気というのは大事なのです。
さて3回目で気づいたのは見ているというより目をくぎ付けにさせられている、振り落とされないように掴まっているような状態だということです。
涙が自然と流れるのは時計仕掛けのオレンジのルドビコ心理療法のように目の前の映像から目を離させない装置で強制的に見させて目が乾かないように点眼をするのと同じだと思います。
もっともバイオレンスではなくほんわかした日常ですのでなぜ自分の感情が揺さぶられるのか理解しづらいのです。
目を離すことを許さない、観ることを強制しているといってもいいでしょう。
予備知識を増やし主題歌やエンディングを何度も聞いて練習してきたのに3回見て3回ともそうなりましたから凄まじいクォリティです。
線の少ないほんわかした絵柄ですがほかの方の評論でもありましたがマッドマックスフューリーロードのようにカット割りが早くて目を離すと置いて行かれるので観終わった後に非常に疲れるのです。また演出に起伏をつけることを極力排除しているのでここで大笑いとかここで泣くとかいったメッセージはなく淡々と進みます。

原爆の描写など非常にさらっと流しますし両親の死亡もあとづけに話の中で出てくるだけだったり「すずという少女の生きている」記録を中心としています。
生活描写のデティールがしっかりしているからこそキャラクターが生きていて大仰な演出がなくても容易に想像して涙がでるのでしょう。
上げて落とす落として上げるというのが演出の基本ですがじゃりん子チエにおける高畑勲の演出論において普段下駄のような顔をしているチエが時折みせる女の子らしさの落差がかわいさを演出するのであり演出における仮現運動とも言えましょう。
仮現運動をせずとも演出として成立しているのは日常の演出が詰め込まれているため人物に対する感情移入の深さが積算されているのです。
1.1×1.1×1.1×1.1×1.1×1.1×1.1×1.1×1.1×...と何気ない日常ですが積み重なることによりリアリズムが生まれるのです。
感情がオーバーフローしてちょっとしたできごとでも感動が生まれ思いもしないところで涙が出たりもします。
雪だるま式怒涛の日常描写により最終的に世界が開かれて現実世界と地続きになり未来に向かって転がっていきます。
すずとリンというコインの裏表の関係についてほぼカットしていますので話の通じない点がありますがストーリーを追わず日常シーンを重視した英断でしょう。完全版を作るとこの部分を盛り込んでいくのでしょうが正直別の作品になる可能性があります。
ニューシネマパラダイスでは映画おじさんとの思い出に涙した主人公にしみじみしましたが完全版(いわゆるディレクターズカット)で振られた女を思い出して「そっちか!」と蛇足だなと思いました。
映画というのは画面をカメラに見立てそこから覗く世界を映し出すという考えをもつとわかり易いのです。カメラは話している相手だったり、虫だったり、鳥だったりします。
映画の視点問題は結論から言いますと神の視点であるということですべてを見渡すことができるのですが演出の問題から言いますと製作者(演出家)の視点なわけです。
演出方法としては空想ではなく理知的で高畑勲氏の系譜ですが片渕須直氏はまぎれもなく映像の魔術師であり映像構築において宮崎駿氏を超える人物を発見したという3回目に観た感想でした。
静かであるからこそ破壊力が分からないのですがとてつもない破壊力のある作品だと思います。
4回目はイオン熊谷でなく場所を変えてみてみようかなと思っています。
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